第25回(令和4年度)文芸部門
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義足となり三十余年過ぎし今挫折もせずに九十歳越え
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梅雨が来て雨がふる日にあじさいの葉と花見るとしずくが涙
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二人ともまったく逆の人だから180度は悲しい角度
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捕えきれないかたちの雲に手を伸ばすたぶん喋りすぎた僕らは
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浜風に乗って飛び出す大アーチアルプススタンド歓喜に満ちて
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あー暑い取っても取っても草の庭風鈴の音さわやかに鳴る
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こころ折れ悲しむ俺に友が言う元気になるよと決意新たに
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連合に先立たれたる妹の悲しさ思うわが身に喩え
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今年初のゆず湯につかり一日の疲れをいやす今宵は十六夜
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音立てて枯葉の風に舞う歩道我が散歩道夕暮れまじか
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若衆の心集めて大神楽舞い納めたり雪待ちの里
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暑い夜は窓開けはなし臥したまま星くず数え飽きもせず
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送り火も静か消えゆき曇空亡夫の帰りし浄土は如何に
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障害を君の個性と言いくれし友と踏みしむ伊勢の玉砂利
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子供らに残す物なき我が身故切絵に心映し形見に
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高齢となれば切絵も難儀なりされど切絵を放さぬ心
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諏訪地域迫力満点神行事七年に一度の御柱祭り
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空晴れて梅雨明け間近夏来たる子育て終わり燕空飛ぶ
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水無月の梅雨入りしては雨降りて紫陽花濡れて色あざやかに
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母逝きて一人ぼっちの盆休みまぶた閉じると寂しさ募る