第24回(令和3年度)文芸部門
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シクラメン 3 月に入り新しきつぼみ伸びたり希望の愛しみ
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山里の秋空の雲みつめつつそれを見る我心むなしく
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幻想的見ることさえ難しい寒空に揺れる光のカーテン
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若きらが胡瓜食む音カリカリと涼し気に聞き羨ましくも
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曾孫の名ひまりにちなみ咲かすのわ小さき背丈の小さき日葵花
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来世より旅人来たりお盆かな疲れを癒ししばし現世で
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金メダル歴史を変えるアスリートつながり胸にパリへの決意
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畑仕事慣れない俺に亡き父の笑顔浮かぶよ真っ赤なトマト
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夏終わり惜しむようにと蝉がなく私も少しさみしいなあ
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夏の日にひまわり踊る晴れた空アイス食べ食べ涼しい私
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逞しく明るく生きよと送別の師との写真も黄ばみにけり
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乙女等は並びて坂を下り行く青葉輝よふ夕光の中
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婚礼のつまみ菜を摘む夢見たり吾八十を過ぎしと言ふに
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できる人できない人も関係なしスポーツは皆楽しめば勝ち
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竿を振り浮き輪を睨む少年は何処か似ている若き日の頃
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コスモスの淡き花辺の下にしてハイネの詩を口づさみけり
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迎へ火の藁の煙に御霊乗す満員車内ぎゅう詰めにして
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炎天下八日の留守にもハヤトチリ蔓伸ばしおり安堵する
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夕間暮れ白き体を隠すがに雪降る畑に白鳥はおりぬ
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舂きて消えゆ農夫ら僅かなる畑の焚き火に姿留めん