
第24回(令和3年度)文芸部門
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休日に歯医者に行けと母が言うそんなことよりゲームがしたい
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つくりかけめざまし時計がやかましいだけど楽しいプログロミング
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舂きて消えゆ農夫ら僅かなる畑の焚き火に姿留めん
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夕間暮れ白き体を隠すがに雪降る畑に白鳥はおりぬ
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迎へ火の藁の煙に御霊乗す満員車内ぎゅう詰めにして
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コスモスの淡き花辺の下にしてハイネの詩を口づさみけり
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炎天下八日の留守にもハヤトチリ蔓伸ばしおり安堵する
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竿を振り浮き輪を睨む少年は何処か似ている若き日の頃
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できる人できない人も関係なしスポーツは皆楽しめば勝ち
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婚礼のつまみ菜を摘む夢見たり吾八十を過ぎしと言ふに
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乙女等は並びて坂を下り行く青葉輝よふ夕光の中
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逞しく明るく生きよと送別の師との写真も黄ばみにけり
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夏の日にひまわり踊る晴れた空アイス食べ食べ涼しい私
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夏終わり惜しむようにと蝉がなく私も少しさみしいなあ
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畑仕事慣れない俺に亡き父の笑顔浮かぶよ真っ赤なトマト
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金メダル歴史を変えるアスリートつながり胸にパリへの決意
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来世より旅人来たりお盆かな疲れを癒ししばし現世で
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曾孫の名ひまりにちなみ咲かすのわ小さき背丈の小さき日葵花
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若きらが胡瓜食む音カリカリと涼し気に聞き羨ましくも
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幻想的見ることさえ難しい寒空に揺れる光のカーテン