第24回(令和3年度)文芸部門
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コスモスの淡き花辺の下にしてハイネの詩を口づさみけり
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迎へ火の藁の煙に御霊乗す満員車内ぎゅう詰めにして
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炎天下八日の留守にもハヤトチリ蔓伸ばしおり安堵する
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夕間暮れ白き体を隠すがに雪降る畑に白鳥はおりぬ
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舂きて消えゆ農夫ら僅かなる畑の焚き火に姿留めん
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つくりかけめざまし時計がやかましいだけど楽しいプログロミング
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休日に歯医者に行けと母が言うそんなことよりゲームがしたい
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夏祭り花火見ている親子かな
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あじさいやつゆにぬれつつきれいだな
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夏の夜の出づる月かな雲間より
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来年の桜咲くまで希望待つ
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大寒にうつらうつらと足湯揺れ
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湯気の立つアスパラガスのお裾分け
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一人居て元気出ればとさくらんぼ
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万緑の峠に至る道遠し
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風立ちて今を盛りて蝉の声
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卯の花を友に教わり六十路行く
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春めいて玄関先に愚痴を置き
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此処そこに畑の息吹や蕗のとう
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風そよと音色鳴らさぬペンペン草