長野県PRキャラクター「アルクマ」
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©長野県アルクマ

第28回(令和7年度) 文芸部門 自由詩 優秀賞水たまり

地面の水は低い方へ流れる
ドロもゴミも何でも巻き込んで・・・
水たまり。ドロでできた水たまり。
自分はここにいる、そんな思いだった・・・
でもある日気がついた。
静かな水たまりに空の風景が映っていた。
まるで鏡のように。泥水なのに。
空の風景、青い空に黙々と白い雲。
子供の頃を思い出した。水たまりに石を投げ
長靴で踏み込んでかき回してはしゃいでた。
が、無邪気だった時は過ぎた。
悩み多き日々。社会の理不尽さ。
自分のふがいなさ。
人づき合いのむずかしさ。でも、思った。
それもこれも「水たまり」と同じ。
石を投げ込めば泥水になるし、
かき回せば泥水となる。
むずかしいけど、自分の心が鏡となれば
相手の心も鏡のように自分の心を映すと、
そう信じたい。
作者氏名
小口 みき子
市町村
諏訪市