枯葉が二枚三枚と散ってゆく
私は散らない今幸だから
でも九十才目前の身体は
少しづつ枯れてゆく
目が 耳が 歯が
少しづつ枯れてゆく時を止めずに
スキップスキップで跳ねた足は
もうすっかり石の如く重い
こうして人は老いてゆくのだしみじみ思う
老いて知る人の優しさ思いやり
潔よく散ってゆく木の葉それもいいな……
我人生に悔いなしとは言わないが
貧しくも楽しく過ごせた子供の頃
親元離れ一生県命働いた青春時代
縁あって結婚
子供三人に恵まれ私の大きな宝
子育て時代私の人生は一番輝いて居た
時は去り娘らは稼ぎ孫も曾孫も生まれ
人生最高の時を生きて居る
だから枯葉を送り又春来るを待つ八十九の媼
私は散らない今幸だから
でも九十才目前の身体は
少しづつ枯れてゆく
目が 耳が 歯が
少しづつ枯れてゆく時を止めずに
スキップスキップで跳ねた足は
もうすっかり石の如く重い
こうして人は老いてゆくのだしみじみ思う
老いて知る人の優しさ思いやり
潔よく散ってゆく木の葉それもいいな……
我人生に悔いなしとは言わないが
貧しくも楽しく過ごせた子供の頃
親元離れ一生県命働いた青春時代
縁あって結婚
子供三人に恵まれ私の大きな宝
子育て時代私の人生は一番輝いて居た
時は去り娘らは稼ぎ孫も曾孫も生まれ
人生最高の時を生きて居る
だから枯葉を送り又春来るを待つ八十九の媼
作者氏名 | 市川 よし子 |
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市町村 | 箕輪町 |