長野県PRキャラクター「アルクマ」
長野県PRキャラクター「アルクマ」
©長野県アルクマ

第23回(令和2年度) 文芸部門 自由詩 最優秀賞読む楽しみ

読書する楽しみ
それぞれの本の中に
自分の知らない世界や。言葉
自分の知らない生活や風景
自分の想像すら出来ない結末も。
奇跡。人情。頑固。優しさ。涙。死。愛。
さまざまな形で次から次へと
小説となってゆく。山も。川。海も。空も。
人間模様と一体となり
自分の心を虜にしていく
作家って凄い
果てしない思いの底から
読む人の心を捉えて放さない
読み出したら止まらない
次の景色が。次の言葉が
待てなくてページを捲る
今の自分の老いての楽しみ
読書出来る幸せ
自分の人生残り時間僅かだけれど
残る時を惜しみつつ今日も一冊の本を手に
作者氏名
市川 よし子
年齢
85 歳
市町村
箕輪町
障がいの種別
身体
審査員講評コメント
 読書が人間にもたらす恩恵について謳っている。その探求の姿勢は緻密で あり、多面的な角度から考察のメスを入れている。  作家について作者は「果てしない思いの底から/読む人の心を捉えて放さない/読み出したら止まらない」という謂わば、強い憧れを感じさせる筆致になっている。  書き始めの8行はやや箇条書きになったが、それだけ作者が熱心に想いを 巡らしていると云えるであろう。 長野詩人会議