瑠璃(るり)色の蝶が、私を幻惑する。雑木林から、私は、この地をあとにすることを、先見的に悟った。それは秋の日。草原に虫が鳴く。私はもう心に東京へ行くことを知っていた、その日。二十五才の節目の年に東京にて、すさんだ日々。この少年時代を思い出していた。人はどんなに存在してても、これら
自然は美しいのに、人の存在を否定してしまう。逆説的なその事実は、哲学を生む。七十才となった老人となった私は、今だその哲学に答えられない。そして自然に引かれて生物学や物理学にさえ引かれる。本をよみ愚かしく理解する。でも自己の、そして人類の存在を、決して否定したくない。人類は地球温暖化という大罪を犯す。美しい自然は歯をむく。自然を、うらんではならぬ。そう。瑠璃色の蝶のように、秋に鳴く虫のように、美しくあれ。自然のように美しくあれ。人間よ。美しい存在であれ。
自然は美しいのに、人の存在を否定してしまう。逆説的なその事実は、哲学を生む。七十才となった老人となった私は、今だその哲学に答えられない。そして自然に引かれて生物学や物理学にさえ引かれる。本をよみ愚かしく理解する。でも自己の、そして人類の存在を、決して否定したくない。人類は地球温暖化という大罪を犯す。美しい自然は歯をむく。自然を、うらんではならぬ。そう。瑠璃色の蝶のように、秋に鳴く虫のように、美しくあれ。自然のように美しくあれ。人間よ。美しい存在であれ。
作者氏名 | 太田 雅人 |
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年齢 | 70 歳 |
市町村 | 松本市 |
障がいの種別 | 精神 |